羽生消防団員が全退団したのはなぜ「阿部浩幸団長の対応の悪さ」茨城県行方市

  • 2022年11月13日
  • 2022年11月14日
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茨城県行方(なめがた)市消防団、「玉造支団第5分団第2部」(通称・羽生消防団)の消防団員22人全員が、一斉に退団してしまったことが話題となっています。

 

この記事では、なぜ羽生消防団員全員が退団してしまったのか、その背景や実情について探っていきます。

 

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羽生消防団員が全退団したのはなぜ「阿部浩幸団長の対応の悪さ」不自然な順番変更

ヤフーニュースで報じていた、羽生消防団員22名の主張は、このようになっています。

退団届を提出した理由について元団員らは、分団長より上の立場の人に説明を求めようとした結果、「これ以外の方法がなかった。苦渋の決断だった」と振り返る。「われわれと向き合ってほしかった。最後まで満足できる謝罪も説明もなかった」と話し、「家族や自分の時間を犠牲にして地域貢献のため活動してきた。間違いを間違いと言えない環境は疑問。何も結果が出ないまま、退団届が受理されてしまったことは非常に残念」と語った。

出典:YAHOO!ニュース より

「われわれと向き合ってほしかった」

「最後まで満足できる謝罪も説明もなかった」

「家族や自分の時間を犠牲にして地域貢献のため活動してきた」

「間違いを間違いと言えない環境は疑問」

「何も結果が出ないまま、退団届が受理されてしまったことは非常に残念」

 

この団員たちの訴えに対し、阿部浩幸団長は、順番変更の釈明に終始しているところに、論点のズレがありました。

阿部団長は「順番の変更に対し説明が足りなかった部分はあった。退団は残念」と語った。新人大会で羽生消防団のホースから水が漏れていたことについては「ムカデの足のように水漏れしていた。必ず事前にチェックするべきことで、あってはならない」と指摘した。

出典:YAHOO!ニュース より

 

また、羽生消防団側への謝罪と慰留に、阿部浩幸団長は一切登場してきていないことも違和感がありました。

羽生消防団側は、この対応に反発。分団長や市の担当職員らが謝罪に赴いたものの、7月20日に全員分の退団届を提出した。

市などはその後も約3カ月にわたり、謝罪や慰留をしたが、最終的に10月17日付で退団届を受理した。

出典:YAHOO!ニュース より

退団届けの最終決定に携わるはずの本部・団長が、何も言うことなく受理するところからも、問題の解決に真摯に向き合わなかった様子を感じます。

 

このことから、阿部浩幸団長と、羽生消防団員22名の関係に問題があったことが、22名一斉退団となってしまった要因として考えられます。

 

 

羽生消防団員が全退団したのはなぜ「変な慣習に疑問があった」ムダな幹部旅行

茨城県行方市消防団については、地元民の声が以前から上がっているようでした。

「爆サイ」から聞こえてくるのは、 “幹部旅行”を開催する必要があるのかという話でした。

幹部の誰かが今年度で引退だからって玉造支団が今年幹部旅行企画してるらしい
アホだわ
毎年
幹部旅行なんてものがある
支払いは各分団
上のジジイどもの酒飲みに付き合わされる
マジでいい迷惑
しかもゴミジジイなんかの為に有給やらで
休み調整だからな
偉くなっても自分の不利益になることは御身大事さにやらないだろ?だから変わんねぇんだよ。
幹部旅行だって、一応、研修旅行だから消防関係施設に寄るけど
元は玉造だけがやってたことだろ?合併前は金あったから…それを合併して貧乏町村が真似したって聞いたぞ!
市の金がねえならやめればいいんだよ。
誰も行きたくねぇんだからよ。
幹部旅行、迷惑だよなぁ。
面白みもないのに部の役員だから行くしかねぇし。
仕事も休まなきゃいけねぇし。
コロナでやらなくなったんだから、そのままなくなればいいんだよなぁ…
分団ごとの交流なんて別にしてるわけでもねぇんだし、必要なくね?
今年は操法大会、幹部旅行実施するそうです
他の地区は自粛しているのに
老害どもが市のカネで酒飲みしたいんだって
いっそのこと行方市消防団、、で
クラスターって騒ぎにならないと
解らないんだな
まあそうなったら市か団長の責任は確定だろうな
どうやら、行方市消防団では、操法大会と幹部旅行はセットになっているようです。
そして、幹部旅行が、税金や寄付金が元になって開催されていることが語られていました。
この幹部旅行が、元は玉造支団だけやっていたことともほのめかされています。
※ 2022年9月24日に予定されていた操法大会は、新型コロナのため、中止になったとされています。

 

 

今回、ニュースで羽生消防団に反発された人物として、唯一、阿部浩幸団長という名前が挙がっていました。
調査をしていくと、この阿部浩幸団長が、かつて玉造支団の副支団長をしていたことがわかりました。
【玉造支団】
副支団長 ・阿部浩幸
2016年度当時、阿部浩幸氏は玉造支団の副支団長でした。

 

その翌年、阿部浩幸氏が、玉造支団から本部に異動していることがわかりました。
【本部】
副団長兼玉造支団長 阿部 浩幸
地元で必要があるのかと問題視されていた、玉造支団が発起した幹部旅行に関与していたことが予想される阿部浩幸氏が、昇格していきました。
2017年本部に異動した阿部浩幸氏が、今や本部の団長となりました。
(出典:市報 行方 令和4年5月号 より)
令和 4 年度行方市消防団役員をお知らせします            
阿部浩幸氏が新消防団長に就任

 

先述した阿部浩幸団長の対応の悪さも相まって、不必要とされている幹部旅行との関係も疑わしいことから、阿部浩幸氏の存在にどうしても注目してしまいます。

 

羽生消防団員が全退団したのはなぜ「ボランティアでは限界」弱い立場の集団

茨城県行方市の、消防団の組織概要を調査しました。

こちらは、2020年4月1日現在の資料です。

(出典:https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/item/pdf/welcome/search/08/29.pdf より)

 

全体の分団数は14で、部数は70となっています。

今回ニュースになったのは、 “玉造支団・第5分団・第2部”で、組織図の中の見た目だけで言うと、最も下に位置する分団でした。

行方市消防団の構成員のほとんどは、 “その他”(1120人)に分類されていて、公務員以外の人の力によって成り立っていることがわかります。

報酬額は、年額20,000円で、手当は、火災出勤1回につき、1,000円となっています。

捉えようによっては、火事がなければ、所属して、年・20,000円にしかならない仕事ということになります。

 

この資料をもとにして言えば、行方市消防団は、 “その他”に分類されている団員の善意によって、維持できている状況と言っても過言ではありません。

今のところ、 “玉造支団・第5分団・第2部”、22名の団員の生の声はキャッチすることは出来ていません。

しかし、ネット上では、現消防団員や、元消防団員であるという人からの声が多く上がっており、地方の “消防団”に所属することのデメリットは知ることができました。

 

以下で、消防団員の実情について掘り下げていきます。

 

 

地方消防団員の嘆き「閉鎖的で時代錯誤」悲惨な実態

ヤフコメで、過去に夫が消防団員だったという女性のコメントが、多くの共感を得ていました。

夫が過去消防団員でした。団員にならないと村八分。仕事で地元火災に駆けつけられないと不参費が徴収。何かにつけて飲み会等が多い。打ち上げでの風俗店利用の強要、操法大会近いとOBが竹刀持って仁王立ち。年俸は貰えず分団費に。 色々重なり私が分団長に意見をしたら、消防とは家庭を犠牲にするものだと言われ、夫に転勤願い出すように言い引越し退団しました。 最初は退団するなら代打を探せ。でないと退団は認めないと言われましたが無視。 田舎の閉鎖的なところはまだまだこんな消防団たくさんあります。

こちらの女性がどの地域にお住まいだったかは不明ですが、とある地方の田舎の実情が如実に表されていました。

  • 団員にならないと村八分
  • 仕事で地元火災に駆けつけられないと不参費徴収
  • 何かにつけて飲み会が多い(風俗店利用の強要)
  • 操法大会が近くなると、OBが竹刀を持って仁王立ち
  • 年俸は、分団費に回される
  • 退団するなら代わりを探せ(代わりがいなければ退団できない・言っても結局無視される)
  • 夫の転勤願いで引っ越しをしてようやく退団(消防とは家庭を犠牲にするものと言われた)

 

消防団の操法訓練に言及するコメントもありました。

消防団の訓練では無意味なことばかりをしている 現場ではまずやらない演舞のような動きばかりを練習する操法訓練、一体何のためにやるのか本当にわからない整列、行進など… 実際の業務の役に立たない訓練が大半を占めている そういうことに貴重なプライベートの時間を割かせている これではなりたがる人なんているわけない このような状況が改善されない限り、誰もなりたがらず人員不足になり機能不全になっても当然だと思う

消防団の訓練の無意味さについて意見をしています。

確かに、自分のプライベートな時間を割いて、何のためになるのか分からない訓練をさせられるのは苦痛です。

 

 

ここまでで、消防団員の実情を考えると、メリットと言えることはほとんどなく、デメリットばかりが目立つことがわかります。

 

《消防団員のデメリット》

  • 自分の時間が取られる
  • 収入にならない・年俸も搾取される・逆に不参費で出費がある
  • 入団しないと地域の仲間外れにされる
  • 訓練の意味が分からない

 

こうした不満が、たった1人のことではなく、退団した22名の団員の背景にあったのではないでしょうか。

 

ニュースでは、操法競技大会の順番をめぐってトラブルが起きたと報じられていました。

市や元団員によると、トラブルの原因は、9月24日に予定していた市消防団の操法競技大会。可搬ポンプとホースを使い、送水のタイムや規律などを競う。大会は抽選で競技順を決めるが、羽生消防団は6月の抽選で5番目となったにもかかわらず、その後、27番目の消防団と順番が入れ替わっていた。結局、操法大会は新型コロナウイルスの影響で中止となった。

出典:YAHOO!ニュースより

操法競技大会の順番が勝手に変えられたことだけで、退団に至る問題となるでしょうか。

ヤフコメなどに挙げられていた、消防団員たちの実情を考慮すると、順番を操作した人物や、組織の問題について不満を抱えていた可能性もあります。

 

一体どのような人物が、行方市消防団を指揮をしているのでしょうか。

 

 

阿部浩幸団長「常に本部に在籍」今年が新任だった

今回、羽生消防団の順番変更に関与し、その後の話し合いに臨んだ人物として報じられたのが、 “阿部浩幸”という方でした。

ここで、行方市の広報誌を調査し、阿部浩幸団長がどのような人物なのか探っていきたいと思います。

(出典:市報 行方 令和4年5月号 より)

令和 4 年度行方市消防団役員をお知らせします            
阿部浩幸氏が新消防団長に就任

行方市消防団の邉田和夫前消防団長が令和4年 3 月 31 日をもって退任し、新たに元玉造支団長兼副団長の
阿部浩幸氏が令和4年 4 月 1 日付けで行方市消防団長に就任しました。邉田前団長は通算 32 年の長きにわたり消防活動に従事され、行方市消防団を支える中心人物としてさまざまな舞台で活躍されました。大変お疲れさまでした。
【本部】
団長  阿部浩幸
団長就任のあいさつ
今後も、市民の皆さまの安全・安心
を守るため、各種災害に対応する、
消防活動の推進などさまざまな取り
組みを行っていきますので、活動への
ご理解、ご支援をいただきますようよ
ろしくお願い申し上げます。
阿部浩幸団長は、2022年度から新しく本部・団長になられた方であることがわかりました。
“元玉造支団長兼副団長”であるとも記載されています。

 

 

岡田祐樹分団長「3人組結成」小松崎亨副分団長と固定の関係

前年となる、2021年度の広報誌をさらに見ていきます。
【本部】
副団長兼玉造支団長 阿部 浩幸
確かに、2021年度、阿部浩幸氏は、玉造支団長兼副団長でした。
ここで、玉造支団・第5分団の人事に目を向けると、岡田祐樹氏と小松崎亨氏の名が、2021年度・2022年度に、記載されていることに気づきました。
【玉造支団】
第 5 分団長 岡田 祐樹  同副分団長 小松﨑 亨

2021年時点で、阿部浩幸氏・岡田祐樹氏・小松崎亨氏の3人が、 “羽生消防団”を取り仕切っていたことがわかります。

 

 

ニュースでは、問題の発端が、阿部浩幸団長の勝手な順番変更で、羽生消防団側に謝罪や慰留をしたのは、分団長と市の担当職員であると報じられていました。

順番変更の理由について、市消防団の阿部浩幸団長は「5月の新人訓練があった際、羽生消防団が穴の開いたホースで参加していた。(変更は)注意喚起・指導の意味合いだったと理解している」と説明する。

羽生消防団側は、この対応に反発。分団長や市の担当職員らが謝罪に赴いたものの、7月20日に全員分の退団届を提出した。

市などはその後も約3カ月にわたり、謝罪や慰留をしたが、最終的に10月17日付で退団届を受理した。

退団届を提出した理由について元団員らは、分団長より上の立場の人に説明を求めようとした結果、「これ以外の方法がなかった。苦渋の決断だった」と振り返る。「われわれと向き合ってほしかった。最後まで満足できる謝罪も説明もなかった」と話し、「家族や自分の時間を犠牲にして地域貢献のため活動してきた。間違いを間違いと言えない環境は疑問。何も結果が出ないまま、退団届が受理されてしまったことは非常に残念」と語った。

出典:YAHOO!ニュース より

このことから、羽生消防団員22名と対立していたのが、阿部浩幸団長と岡田祐樹分団長であることがわかります。

 

2020年度の広報誌を、さらに調査しました。

(出典:市報 なめがた 令和2年5月号 より)

【本部】
副団長兼玉造支団長 阿部 浩幸
【玉造支団】
第 5 分団長 岡田祐樹  同副分団長 小松﨑亨

2年前の2020年度も、阿部浩幸氏・岡田祐樹氏・小松崎亨氏の3人の面々が変わっていないことがわかります。

一体、この3人の関係はいつから始まったのでしょうか。

 

 

本部と玉造支団の関係「羽生消防団員を軽蔑していたか」上司たちの怪しい付き合い

2019年度の広報誌も見ていきます。

 

すると、2019年度(平成31年度)は、岡田祐樹氏が、第5分団の副分団長であったことがわかりました。

(出典:市報 なめがた 令和元年6月号 より)

【本部】
副団長兼玉造支団長 阿部 浩幸
【玉造支団】
第 5 分団長 羽生幹男  同副分団長 岡田祐樹

小松崎亨氏の名前はありませんでした。

 

阿部浩幸氏・岡田祐樹氏・小松崎亨氏の関係性をまとめます。

2019年度
阿部浩幸氏【本部・副団長兼玉造支団長】
岡田祐樹氏【玉造支団・第5分団・副分団長】
2020年度
阿部浩幸氏【本部・副団長兼玉造支団長】
岡田祐樹氏【玉造支団・第5分団・分団長】
小松崎亨【玉造支団・第5分団・副分団長】
2021年度
阿部浩幸氏【本部・副団長兼玉造支団長】
岡田祐樹氏【玉造支団・第5分団・分団長】
小松崎亨【玉造支団・第5分団・副分団長】
2022年度
阿部浩幸氏【本部・団長】
岡田祐樹氏【玉造支団・第5分団・分団長】
小松崎亨【玉造支団・第5分団・副分団長】

阿部浩幸氏と岡田祐樹氏は、少なくとも約4年にわたって、本部と支団の関係が続いています。

小松崎亨氏は約3年、支団の副団長として、阿部浩幸氏と岡田祐樹氏に関わってきていることがわかります。

 

 

建築業界の優遇措置説「消防団は自治体の事業の肥やし」入札点数稼ぎ

ここで、消防団を保有することが、建築関係にメリットとなるという話が目に留まりました。

知らない人がすごく多いけど、消防団っていうのは建築業界に対して優遇措置を持ってるんだよ。
具体的に言うと、消防団員を多く排出している会社は
①入札優遇
②融資優遇
③減税措置
の三つがあって、②と③を実施している県は少ないが①は現在でもかなり多い。 (続く)
①についてだけど、公的事業の入札には点数って概念があるのね。それは従業員数や重機の所有台数なんかで加算される。 例えば、大規模な高架道路を作る事業に従業員十人の零細が入札できちゃうと混乱を招くでしょ。受注しても工事できるわけないんだから。 (続く)
だから 「この入札に対しては、この点数以上の会社に資格があります」 って足切り条件がついてるわけ。 んで、従業員が消防団に所属していると、それだけで点数に加算される。 だから大手の土木なんかには関係ない話だけど、中小零細なんかはよくやってるのよね。 (終わり)

もし、市の公的事業のために消防団が必要とされていて、その消防団が強制加入させられるものであれば、団員たちはあらゆる不満を持って怒るはずです。

先述した阿部浩幸団長が、理解ある人であれば、操法競技大会の順番を操作することもないでしょうし、団員たちが猛抗議することもなかったのではないでしょうか。

団員たちの大きな決断の原因が、上司たちから利用されていることに気づいた結果である可能性も考えられます。

 

 

ツイッターでは、消防団員のつらい実情を伝える投稿が相次いでいます。

うちの地方で起きた消防団事件
・操法の練習は強制参加
・欠席者は実家と職場へ電話
・A部「同じ分団だけどB部は敵だから信用するな」と教育(連帯感強めるためらしい)
・同じ分団だけど火災現場で水利を使わせないくらい関係悪化
・出動欠席者は罰金3000円(連絡無しなら倍額)

消防団の経験者は、リスクを背負っていることが多いと感じてしまいます。

よっぽど組織の中の扱いが理不尽だと思わない限り、22名が同じ気持ちで退団をすることはないはずです。

操法大会の “順番”が問題というのは、一つのきっかけに過ぎず、団員たちが抱えている苦悩は、目の前の生活に直結したところから湧き出たものだったとも受け取れます。

 

 

一体、羽生消防団員と団長たちとの間にあった問題の核心は何だったのでしょうか。

茨城県行方市消防団の内部で起こった騒動は、多くの謎を含みながら、ネット上の論争にまで広がっています。

 

中村驥(はやま)経歴「前科ありながら誠意なし」山梨県北杜市恫喝問題