フジグラン緑井飛び降りがヤバい「営業日の給水が死体水」広島市受水槽内自殺

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10月5日、大型商業施設フジグラン緑井(広島市安佐南区)の受水槽内で死亡事故が発生したことが公表されました。

死亡した人の家族から施設に連絡があり、行方を探していたところ、4日朝、受水槽の天井に穴が開いているのを従業員たちが発見。中から遺体が見つかりました。

死亡した人の車が2日夜に駐車場へ入る様子が防犯カメラに映っていたとされています。

 

この記事では、フジグラン緑井で起きた飛び降り自殺の現場となった受水槽の場所を調査し、過去に松阪市で起きた同類の受水槽への飛び降り自殺案件を参考に、この事案が及ぼす予期される悪影響についてまとめていきたいと思います。

 

 

フジグラン緑井飛び降りがヤバい!「入念に場所を確認しての実行か」死亡事故

大型商業施設「フジグラン緑井」は、地図で見るとこのような位置になります。

広島市の北部に位置しています。

 

さらに、広島市内で拡大して見てみると、広島インターの合流地点付近に位置していることがわかります。

 

フジグラン緑井の駐車場「県道に包囲された8階建ての立体建築」受水槽は奥まった所

「フジグラン緑井」の上空写真はこのようになります。

 

屋上は駐車場になっていて、立体駐車場が4F・5F・6F・7F・8Fに設置されています。

(出典:Wikipedia「フジグラン緑井」 より)

亡くなった方は自死を決めていたことがわかっていますので、できるだけ高い階層に歩を進めたことが読み取れます。

 

先ほどの、上空写真から建物の側面部分に設置されている備品についてフォーカスしていきます。

県道269号線から離れた側の建物周囲を見てみると、大小さまざまな四角い箱のようなものが見えます。

この中のいずれかが「受水槽」になるのでしょうか。

 

ちなみに、「受水槽」のイメージはこちらになります。

(出典:不動産投資は大家の教科書 より)

 

四角い箱型のものがよく見かけられるものとなっています。

こうした形のものが、フジグラン緑井にも設置されているように見えます。

立体駐車場および屋上駐車場から飛び込んで、届く範囲のところにあるものが今回の「受水槽」になるはずです。

 

こちらは、県道269号線に面した側の建物上空です。

詳しい構造はわかりませんが、設備はあるように見えます。ただ、飛び込むために必要と思われる高さが十分ではないように見えます。

 

報道では、「受水槽は駐車場の下にある」と報じられています。

(出典:中国新聞デジタル より)

受水槽は駐車場の下にある。フジは広島市保健所の指導に基づき、受水槽の清掃と消毒、水質検査を進めている。検査結果を踏まえて、営業再開を決める。同社は「多大な心配をかけ、心よりおわびする」としている。

この上空写真に写し出されていない場所に「受水槽」があるのでしょうか。

イメージ画で見たように、水槽の素材はかなり硬い素材で作られているように見えます。

この盤を突き破って、水槽内に入ったわけですから、相当高い場所から、硬い「受水槽」に落下したことがわかります。

 

こちらは、県道269号線側の地上から写した立体駐車場の画像です。

 

こちらは、県道270号線側の地上から写した立体駐車場の画像です。

 

いずれの県道側(269号・270号)から立体駐車場を見ても、建物の側面しか見えず、「受水槽」らしきものは見受けられません。

県道269号線を少し回り込んで見てみると、上空からも見えていた立体駐車場下のスペースらしき箇所が見えました。

やはり、この県道に面していないスペースに「受水槽」が設置されていることがわかります。

 

「受水槽」があるとされている場所は、建物の周囲からは立ち入ることができないところであり、施設の関係者しか確認できなさそうな場所でした。

遺体となった方は、入念に下見をし、落下位置を選んで、「受水槽」目がけて飛び降りを決行した可能性があります。

 

フジグラン緑井は、10月4日朝に遺体を発見。即日、給水の停止と製造された食品の全撤去、飲食店の休業をしましたが、翌5日に全館休業に至りました。

この大型商業施設の死亡事故に類似した事案が、2008年三重県松阪市で起きていました。

 

フジグラン緑井に類似した受水槽自殺「死体漬けの水を提供」松阪マーム

2008年11月27日夕方、複合商業施設「松阪ショッピングセンターマーム(松阪マーム)」の、建物裏側に設置しているFRP製受水槽の内部から、死後1ヶ月程度経過していると見られる男性の遺体が発見されました。

この遺体で発見された男性は、11月1日から行方不明となっていた人物で、自殺したとみられています。

松阪マーム側が、11月8日に点検を行った際には異常は発見されなかったとされていました。

 

こちらは当時の新聞の切り抜きです。

(出典:夕刊三重 より)

松阪市船江町ショッピングセンター・マームの従業員出入り口側の屋外に設置してある受水槽から、27日夕方、男性の遺体が見つかった。警備員が発見し通報で駆けつけた松阪地区広域消防組合の救助隊が引き上げた。
松阪署によると、自殺の可能性が高いという。

本紙調べによると、遺体は伊勢市の40歳代の男性。
今月1日から行方が分からなくなっており、家族が探していたという。
受水槽は高さ1mほどの足場の上にあり、横12m、奥行き3m、高さ3mほど。
建物裏側の従業員出入口の近くに設置してある。

男性は、マームの建物から飛び降り自殺を図り、落下した水槽の天井を突き抜け、
水の中に落ちたとみられる。
27日午後5時過ぎに警備員が発見した。中で浮いていたという。
松阪署は事件性はなく、自殺の可能性が高いとみている。

 

その後、松阪マームは、上水道の使用を一時停止、水道水使用商品を撤去し、水道水使用テナントの営業を中止しました。

11月28日より、(当時の)ジャスコについては食品作業場・給水機・製氷機の洗浄・消毒を実施し、ペットボトル飲料水を使用し営業したとされています。

また、受水槽を清掃・消毒した上で、トイレのみ水道水を使用していました。専門店についても設備・備品・器具の洗浄・消毒を実施、12月3日より公式ホームページにおいて事件の経過と水質に関する報告を行い、全館で営業を再開しました

しかし、非難が殺到し、松坂マーム側は、対策として受水槽を撤去し新受水槽を設置することを決定し、12月8日より工事に着手、12月26日より新受水槽での給水を開始しました。

また、2009年1月5日より高架水槽および館内の給水管・水道設備も一新する工事を進め、1月29日より新しい給水設備を使って給水を開始しました

工事にかかった費用は約1億円とされ、新旧の設備を切り替えるため2009年1月28日に休業した流れがありました

(出典:Wikipedia より)

その後に上水道の使用を一時停止、水道水使用商品を撤去し、水道水使用テナントの営業を中止した。11月28日よりジャスコについては食品作業場・給水機・製氷機の洗浄・消毒を実施し、ペットボトル飲料水を使用し営業した。また、受水槽を清掃・消毒した上で、トイレのみ水道水を使用した。専門店についても設備・備品・器具の洗浄・消毒を実施、12月3日より公式ホームページにおいて事件の経過と水質に関する報告を行い、全館で営業を再開した。

非難を受け、ショッピングセンター側は対策として受水槽を撤去し新受水槽を設置することを決定し、12月8日より工事に着手、12月26日より新受水槽での給水を開始、また2009年1月5日より高架水槽および館内の給水管・水道設備も一新する工事を進め、1月29日より新しい給水設備を使って給水を開始した。

工事にかかった費用は約1億円、新旧の設備を切り替えるため1月28日に9年ぶりに休業した。

 

こちらは当時の伊勢新聞の切り抜きです。

(出典:伊勢新聞 より)

遺体が発見された受水槽。男性は補習部分から水槽内に落ちたとみられている=松阪市船江町のマームで

 

当時の、飛び降り自殺によって、穴が開いた「受水槽」の画像が残っていました。
硬そうな「受水槽」の盤面を突き破って落下したことがわかります。
今回のフジグラン緑井の「受水槽」も同じ状態になっているのでしょう。

 

このニュースに関して物議になったのは、自死した人物の動機ではなく、「受水槽」が汚染されたまま営業していた松阪マームの衛生問題や責任問題でした。
(出典:朝日新聞 より)
商業施設水道タンクに遺体、発見まで1カ月 三重・松阪
三重県松阪市船江町の「松阪ショッピングセンターマーム」の屋外に設置されている水道の受水槽(タンク)から11月27日に、自殺とみられる死後1カ月近くの男性の遺体が見つかっていたことがわかった。受水槽の水は発見時まで、ジャスコ松阪店や飲食店、食品販売店など施設全体で、水道水として使われていた。
マームや松阪保健所は「水質に異常はなく健康に問題はない」としている。ただ、客からは「肝炎にはならないか」などとの問い合わせが殺到しているという。

確かに、遺体発見に1カ月ほどかかった間の、給水の水質に影響を及ぼしていたことは間違いありません。

このショッピングセンターを利用した客の、購入品や飲食店などの料理は、この水死体の入った「受水槽」の水を使っていたわけです。

 

このような反響の声が上がっていたとされています。

(出典:J-CAST ニュース より)

  掲示版やブログでは、

「もうドンだけ水を入れ替えてもこの施設の水は絶対飲めない」
「ひと月近くも、このショッピングセンターではこの水を使用していたことになる。夏場でなかったのがせめてもの救いか?」
「客が死体水飲んだのなら精神的苦痛は計り知れない」

「死体水」と表現されるまでの言われようとなっています。
実際、松阪マームは、利用客などの批判の声に対応し、1億円と約2カ月の期間をかけて、「受水槽」の交換を実施せざるを得なくなりました。

 

この事案は、遺体残留の期間の長さが甚だしかったことが、このような利用客の反発の声につながったわけですが、今回のフジグラン緑井の事案は、遺体発見から1~2日と迅速性はありました。

 

松阪マームの件も知っているであろうツイッター民の声「精神的苦痛がひどい」

しかし、10月3日・4日の営業はされていたとあり、その期間に偶然利用した客は、やはり不安の声を上げていました。

 

うわ…ここのジム通ってて普通に シャワー浴びて惣菜買って帰ったんだけど。()一昨日フードコート閉鎖してた理由これか…いや死体あったなら惣菜も回収してよ
自殺発生当時に、ジムのシャワーを浴び、その日のお惣菜を買って食べてしまった方がいました。

 

死体の浸かった水飲んでた人最悪
「死体」の水と表現する人が、今回のケースでも現れています。

 

『スーパー受水槽に遺体』

先日夜勤明けで近所の大型スーパーへ行き、昼ごはん食べようとしたら、受水槽故障で休業となってた。 娘と嫁は昼に惣菜を沢山買い持ち帰った。 一部は食べてしまったが残りは廃棄処分するしかない。

残念なことに、購入したお惣菜が廃棄になってしまった家庭もありました。

 

過去にも商業施設で同様に受水槽にダイブしたか入れられたかで水質汚染事故が起きてるけど… てか消毒と撤去に営業自粛で済む話じゃない。その水を直接飲んだり調理した物を口にしてる人が居るし。 健康被害が無かったとしても精神的苦痛は計り知れないよね
このように、速やかに遺体発見につながったことはすばらしかったのですが、短くとも、遺体を含んだ「受水槽」から給水して、調理や加工品の製造をしていたことが、精神的苦痛につながる面がぬぐえないという意見も上がっています。

 

10月6日時点、フジグラン緑井は全館休業となっており、再開のメドは立っていません。
(出典:フジ HP より)

フジグラン緑井 全館休業についてのお詫びとお知らせ

このたび、フジグラン緑井(以下、SCという)の受水槽内において死亡事故が発生しました。

10月4日(火)10時10分警察到着後に当該受水槽からのSC内への給水を停止しました。

10月5日(水)以降、臨時休業いたしております。なお、10月2日(日)20時40分に亡くなられた方が運転していたと思われる自動車がSC駐車場へ入庫したことを確認しています。

現在、保健所の指導のもと、受水槽及び給水設備の洗浄・消毒を行い、水質検査を実施しております。

万が一、体調に異変を感じられた場合はお申し出いただきますようお願いいたします。

お客様には大変なご心配をおかけし誠に申し訳ございません。

営業の再開は、安全の確認ができ次第、あらためてご連絡させていただきます。

 

松阪マームの事例を踏まえ、一時閉館に踏み切ったフジグラン緑井の対応は、この先どのように評価されるのでしょうか。

 

フジグラン緑井の、風評被害が広がらないことを祈るばかりです。